月別: 11月 2012
多摩川で芋煮をやれば、もう山形だべさ。
勤務地の山形では9月に入ると「芋煮」シーズンが始まる。
まだまだ残暑厳しい中、市内を流れる馬見ヶ崎の河川敷で
あつあつの鍋を囲んで芋煮を楽しむのだ。
この芋煮会は11月頃まで続く。シーズンのピークは10月頃か。
市内のスーパーの店頭には、束になった薪と芋煮用のアルマイト鍋が
用意されていて、芋煮用の食材を買った客には無料で貸し出される。
シーズン中には河川敷はそこかしこで芋煮を囲むグループが見られる。
東京には毎年10名前後の卒業生が就職してがんばっている。
そんな卒業生がツイッターで芋煮を懐かしがっていた。
東京でも芋煮がしたいよね…。
で、やってきました。芋煮。
芋煮はやはり河川敷に限るということで多摩川。
でも、最近は自由にBBQができる場所は少なく、
交通の便、休日のにぎわいも考えるとなかなかいい場所は少ない。
いろいろ考えた末に、府中の「郷土の森BBQ場」に決定。
ここは無料だし、早めに出向いて場所取りすれば大丈夫。
駐車場も無料だ。駅からちょっと距離があるのが難点だけど。
3連休の中日、9時過ぎに到着。
球場横の駐車場は8割方満車。
車に積んだキャンプ用テーブルと椅子を運ぶ。
直火は禁止されているので、今回はツーバーナーコンロを使用する。
本来は薪で直火が正統芋煮だ。
9時半にはO先生も合流。
バードウォッチングが趣味の先生はモノキュラーを持ち込んで
鳥も観察して楽しそうだ。
卒業生は11時に買い出しして集合。
アルマイトの鍋に里芋、ねぎ、ごぼう、こんにゃく、牛肉。
今回は山形内陸風の醤油に牛肉タイプの芋煮だ。
???????朝方は雨もぱらついていたけれど
お昼前からは日差しも出て風もなく暖かい。
鍋からはいい匂いが漂い、みんなのビールがうまそうだ。
のんびりと3時過ぎまで、飲んでは食べ話がはずむ。
途中、うどんも投入して晩秋の日差しの中、幸せをかみしめる。
多摩川でやっても、芋煮はやっぱり山形だべさ。
11月3日文化の日。磐梯山で風に吹かれる。
日曜日に大学で入試がある関係で、今週は山形に居る。
11月3日の文化の日は間の休みになるので
どこに出かけようかと考えた。
ここ最近、山へも行っていないので近くの山へということで
磐梯山へ登ることにした。
渋谷登山口からを考えていたけれど
西吾妻スカイバレーの入り口が11月から夜間通行止めに。
そのため前日の夜に登山口まで入ることができなかった。
スタートが遅れるため最も短時間で登れる八方台登山口を選ぶ。
無料開放されている有料道路を使って、駐車場へ。
ここの標高は1,119mなので山頂までは700mほどの登り。
昨日降った雪が残っているが、森の中は風もなく暖かい。
しかし登っていくにつれ、次第に積雪が増えてくる。
時折、視界が開けると遠くに見える山はすっかり白化粧だ。
磐梯山は始めて登る山だけど、このコースは登山道も整備されている。
特に弘法清水までの深い森の中を歩く道は静かでいい道だった。
雲の流れが速い。
桧原湖が雲の切れ間から見えるが、瞬く間に白い雲が覆い隠す。
そうすると辺り一面、視界は白く濁ってしまう。
2時間ほど登り続けると営業小屋がある「弘法清水」に着く。
ここは完全に冬の世界だった。
風も強く、木々の枝にはエビのしっぽができていた。
「豚汁300円」に後ろ髪を引かれながら頂上へ。
ここからは30分ほど。
急な傾斜のコースを上り詰める。
晴れていればかなりの絶景を楽しめそうだ。
時折、見せる美しい風景に励まされて
最後の登りを詰めると、ぽんと頂上が現れる。
「磐梯山山頂」の立て札は一段低い避難小屋の隣にある。
山頂にはケルンがあるだけだ。
風が強い。体感では氷点下5℃近い。 汗をかきたくないので、マウンテンパーカーの下は
長袖ヒートテックの上に半袖のTシャツを1枚。
おもわず震えがくる。
ザックの中には薄手のダウンパーカーも詰めてきたけど
出すのも面倒で数分で退散する。
彼女連れならここで暖かいお茶の一杯でもと考えるが
独り者には長居は無用と、下り始める。
下りは登りより30分ほど短縮できる。
ただ積もった雪が溶け始めて、注意しないと足を滑らせる。
2度ほどころびそうになった。
途中の中の湯には温泉が湧き出ている。
今はもう廃屋になった家があり、足湯場もある。
手を入れてみたら、少しぬるめのお湯だった。
硫黄臭が強い。
2時過ぎに登山口に無事、戻って来た。
考えてみれば、ザックの中には
山で暖かい飲み物が飲めるようにと
ガスストーブやコッヘルも詰めたのに
飲まず食わずで下りてきてしまった。
上り下りでわずか5時間弱のコースではあるけれど
下ってくる途中で、しかもかなり下の箇所で
これから登って行こうとするお年寄りカップルに会った。
あの速度で登れば、下ってくる頃にはかなり陽も傾く。
一度溶けた雪が再び気温が下がって凍結もする。
雨具やヘットランプの類もちゃんと入っているのかと
心配になるような小さなザックで、スニーカー履きの
おじさんともすれ違った。
「雪が降るなんてびっくりねぇ」と話しながら登ってくる
おばさん二人組も居た。
11月に入ったら、ある程度標高のある山、
緯度の高い土地にある山は、もう「冬」だ。
雪が降るし、風が強ければ体感温度はたちまち氷点下になる。
アイゼンは不要だろうけど、冬山の入り口ではある。
そんな事を考えながら下ってきた。
帰り道、白布温泉へ。
「中屋不動尊別館不動閣」で日帰り温泉。
大人500円で露天風呂に浸かる。
硫黄の匂いと谷川を亘ってくる風。
ほどよい疲れに染み渡る暖かさ。
贅沢な時間がゆっくりと流れる。